看護系の教育機関で単位修得して卒業しても、それだけでは正式の看護師になれません。看護師国家試験を受験して合格する必要があります。
看護師国家試験の受験者は7万人弱で、そのうち6万人ほどが合格します。つまり、受験者全体の9割ほどが合格できます。
特に新卒者の合格率は、95%程度と高くなっています。新卒者のうちでも、大卒者の合格率が最も高く、97%にまで達してします。
ただし、大学の中でも合格率には差があり、入学試験の偏差値が高い大学ほど看護師国家試験の合格率が高いとは一概に言えません。
大学に続くのが3年課程の看護師養成所で96%ほどになり、3年課程の短大卒の合格率は約93%です。2年課程の場合、養成所と高等学校専攻科が95%、短大が89%となり、通信制は81%というように、3年課程より少し下がります。5年制一貫教育の高校と高校専攻科も、95%ほどが合格します。
これに対し、7千人ほどが受験する既卒者の場合は、大学で63%、3年課程の看護師養成所で53%、3年課程の短大卒が42%というように、合格率が低くなっています。
既卒者の2年課程では、養成所の43%が最高で、通信制が35%、短大が32%、高校専攻科が18%など、看護師国家試験が難しい関門になっていると言えるでしょう。既卒者は、家事や仕事または介護などに従事しながら国家試験の勉強をしなければならないため、新卒者のように試験勉強に集中できる環境ではないことから、やむを得ない結果と言えるかもしれません。